コロナ禍の不妊治療は延期?再開?いまできる妊活とは

不妊治療

こんにちは。不妊・流産・不育症経験者の やまだ ひまわりと申します。

新型コロナウイルス感染拡大は、不妊治療の現場にも大きな影響を与えています。不妊治療の延期が求められたり(5/18に緩和)、令和2年度の不妊治療の助成条件が緩和されることになったり。

こんなとき、不妊治療や妊活当事者はどう行動したらよいのでしょうか?いま起こっていることの整理と、いまできることを考えてみました。

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日本生殖医療学会が「不妊治療の延期」を求める声明を発表

2020年4月1日には、日本生殖医療学会が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、可能な場合は不妊治療の延期を考慮するよう声明を発表しました(声明は5月18日付で更新されています)。

新型コロナウイルスが、妊婦や胎児に与える影響は?

声明では、新型コロナウイルスが妊娠、特に妊娠初期の胎児に及ぼす影響は明らかになっておらず、母体から胎児への感染の可能性は不明であり、妊婦の感染リスクが高いとはいえないと前置きした上で、次の懸念点を挙げています。

  • 妊婦において新型コロナウイルス感染の重症化の可能性が指摘されている
  • 感染時に使用される治療薬として妊婦に禁忌の薬剤による治療が試行されている

このことから、不妊治療による妊娠が成立したあとの感染への対応に苦慮することが予想され、また、妊婦検診など医療機関に関わることによる新たな感染も危惧されるとしています。

いつまで不妊治療を延期すればいいの?

声明では、感染の急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊娠時に使用できる予防薬や治療薬が開発されるまでを目安として、不妊治療の延期を選択肢として患者さんに提示するよう医療機関に推奨しています。

5月18日付けで新たな声明発表(治療再開の考慮を容認)

5月18日付で新たな声明が発表されました。

新たな声明では、緊急事態宣言の段階的な解除と、感染拡大防止と社会活動維持の両立を取り組むことが求められるようになったことを背景に、可能な感染防止対策を行い、患者・医師間で十分に相談し、社会状況に配慮しながら治療を再開することを容認しました。

※この声明は発表時点の情報をもとに策定されたものであり、今後の状況の変化に応じて必要とされる対応策に変更があることにご留意ください。

厚生労働省が不妊治療助成の年齢上限を「44歳未満」に

一方、日本生殖医療学会の声明を受けて、厚生労働省は、今回の影響で不妊治療の延期を余儀なくされる夫婦が増えることを想定して、令和2年度に限って、特定不妊治療(体外受精、顕微授精)の助成要件を次のように緩和しました。

1.助成対象となる妻の年齢(治療開始時点)

(通常)43歳未満 ⇒ (今回)44歳未満

2.通算6回まで助成を受けられる対象(治療開始時の妻の年齢)

(通常)40歳未満 ⇒ (今回)41歳未満 ※41歳以上は3回まで

助成金額に変更はありません(初回最大30万円、それ以降は1回につき最大15万円)。

厚生労働省発表資料

ピンチをチャンスに変えられるのか?

不妊治療がスムーズにできない…。

やむを得ない社会状況とはいえ、当事者にとってはこの上なく辛い問題です。

なぜなら、不妊治療は紛れもなく年齢との戦いだから。わたしは1日だって無駄にしたくありませんでした。

にもかかわらず、今回のコロナ禍は、第2波、第3波がやってくるとか、秋冬にかけてさらに感染拡大するかもしれないとか、収束するのは2022年頃ではないかとか、先の見えない状況がしばらく続きそうです。

わたしが通っていたクリニックでは、治療延期の声明が出たときも、「卵巣機能や年齢的な理由で治療継続を希望される方には、患者さん個々に説明したうえで治療方針を決定したいと思います」とサイトで説明していました。

そうなんです。不妊治療をするアラフォー世代にとって「1年」待つというのは、とても大きな決断。「1年待っている間に、妊娠できなくなっちゃうよ!」と延期に不安しか感じない人の方が多いのではないでしょうか。

一方で、不妊治療ばかりが妊活ではないというのも事実。

医療にかかることができなければ、この期間を“治療のお休み期間”としてステップダウンするのもよいのですが、今回に限っては、妊娠したときのリスクを考えると、それさえも悩ましいです。

参考

Site Maintenance

積極的な妊活が躊躇されるいま、不妊当事者は何をしたらよいのでしょうか?

プレッシャーから解放される

まず、この機にメンタルを整えるというのは、よい時間の使い方かもしれません。メンタルは自分の思っている以上にカラダの機能に影響を与えます。

たとえば、やむを得ず不妊治療を延期する場合でも、治療しない解放感というものが少なからずあるのではないでしょうか。いまは、それを思いっきり味わうことができる格好の機会だと思います。

不妊治療中は、自覚はなくともいろいろな気苦労やプレッシャーを背負っているもの。

  • 成功しなければという焦り
  • 服薬や通院のスケジュール管理
  • 仕事と通院の調整
  • 職場への申し訳なさ
  • 周囲からの期待

いままで背負っていた心の重荷を一旦おろして、妊活や不妊治療ばかりに意識がいっていた自分を、いったん休ませてみる。

心に風を通すような感じでしょうか。

アルコールを控えていた方は、好きなお酒でご主人と乾杯してみるのも具体的な気分転換になると思います。

何はともあれ、一度肩の力を抜いてみる。

悩みも不安も、それから改めて考える。

わたし自身、約9年間の不妊治療中に、何度かプレッシャーから解放されたタイミングというのがありました。

意識的に解放されたときもあれば、気付いたら解放されていたときもありますが、どちらも事態はよい方向に動いたように思います。

妊活脳を気分転換するのは、この記事が参考になるかもしれません。⇒あなたの脳内円グラフ「妊活100%」になっていませんか?~不妊治療が辛いとき、心をメンテナンスする方法~

仕事をペースダウンする

仕事がなくなったり、休みが増えたりと望まない休業を強いられている方もいらっしゃるかもしれませんね。

それ自体は辛いことなのですが、もし妊活中、不妊治療中であれば、必ずしもマイナス面だけではないと思うのです。

働きすぎて見失っていた3つの余裕

わたしの過去のエピソードを少し聞いてください。

長男を授かり、二人目の不妊治療を再開したときのことです。

当時は、フルタイムで働きながら顕微授精を再開。幸いにも妊娠できたものの初期から出血がありました。にもかかわらず、わたしは自分の体調を顧みることなく働きつづけ、職場で大出血を起こしてその日のうちに流産してしまいました。

それでも気を取り直して再び妊活を続け、4度も妊娠のチャンスを得ながら、すべて流産。

流産の原因は不育症であり、仕事が原因ではないのですが、完璧主義のわたしは仕事にも治療にも焦っていて、自ら自分を追い詰めていたのも事実なのです。

不妊治療、不育症治療、フルタイム勤務、長男の育児。

通院日は、定時後に病院にすべり込み、まだかまだかと診察を待ち、ダッシュで長男のお迎えに向かう…という分刻みのスケジュールでした。

5回目の流産を終えた、41歳目前のある日。

「このままでは、残りの妊活期間、後悔するかもしれない」と思い、働く時間を減らす決意をしました。

職場に直談判し、制度がないにも関わらず在宅勤務も認めてもらいました。(その時のことをまとめた記事⇒不妊治療と仕事はどう両立する?私が試した働き方改革 ~体験記その11~

…それから約半年後、二人目を授かることができました。

話が長くなってしまいましたが、仕事…というより”働き方”は妊活や不妊治療に、何かしらの影響は与えるものだと思います(妊娠できる方は、どんな状況でも妊娠されるんですけどね)。

時間の余裕、心の余裕、体力の余裕

もしいま、仕事を辞めなければならない、休まなければならない、在宅勤務になってしまった、という方がいらっしゃったら、現実を「これが、きっとよいことにつながる」と前向きにとらえ、先に挙げた3つの余裕(時間の余裕、心の余裕、体力の余裕)を取り戻してみてはいかがでしょうか。

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まとめ:カラダを休めて、いまを大切に生きる

とにかくいままで、不妊治療に奔走してきた方、仕事と治療の両立に苦慮してきた方ほど、いまの時間を大切にしてほしいな…とお節介ながら思います。

人によっては、「いままで、なんて疲れる生活を送っていたんだ!」と気付くかもしれません。

いまの世の中、男性も女性も、授かるには疲れすぎている人が多いように思うのです。

感染拡大は望まれることではありませんが、その影響で経済活動がスローになること、世の中の動きがスローになることは、人類にとっては必ずしも悪い面ばかりではないのでしょう。

また、不妊治療が再開できるようになったときに、心にも体にもエネルギーがたまった状態で次のステップに進むことがとても大切なように思います。

関連記事⇒妊活するなら猫になれ?妊娠するには疲れすぎている日本女性

おまけ:ステップダウンには「シリンジ法」もおすすめ

妊婦が感染した場合のリスクが懸念される現状でどう妊活するかは、本当に頭の痛い問題です。

しかし、新型コロナウイルスとの戦いが長期戦になると分かったいま、ただ待っているわけにもいかなくなりました。

これからの不妊治療については、住む地域や個人の状況に応じて、医師と十分に相談する必要があるでしょう。

それ以外の妊活は、いまできること前向きに考えていくしかありません。

通院の機会を極力減らす妊活として、「シリンジ法」があります。

実は、わたし自身、長男を顕微授精で授かったにもかかわらず、その後、シリンジ法で2回も妊娠することができました。不育症が原因で流産してしまいましたが、顕微授精までやった人でも妊娠の可能性があることに驚きました。

自己責任にはなりますが、自宅でできます。人工授精と合わせて取り入れることを推奨している病院もあるくらいなので、使い方さえ間違えなければそれほど心配はいりません。

キットは市販もされていますよ。

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