【不妊治療と仕事】仕事を辞めずに乗り切るために取った行動とは

不妊治療と仕事
Photo by chappy(photoAC)

不妊治療中、仕事を辞めるか続けるか…。

迷ったときに、どうやって結論を出したかは、前回の記事でまとめました。

わたしは、仕事を続ける方を選びました。

実際にやってみて、不妊治療(わたしの場合は顕微授精)のための通院は、病院が近かったことにも助けられ、遅刻や早退、有給を使いながら、なんとか調整することができました。

一方で、「仕事は続ける」と決めたものの、いざ直面すると本当に困ったのが、切迫流産になったときと、流産したときです。

今回の記事では、仕事をしながら流産や切迫流産になったときの体験と、その反省から、わたしが取った行動についてまとめました。

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働きながらの流産、切迫流産は本当に辛い

はじめて流産したとき、直属の上司はとても心配してくれました。

「とにかく1週間はしっかり休んで。仕事のことは、何とかするから気にしなくていいよ」
と言ってもらえ、その言葉に甘えて1週間休暇をもらいました。

で、1週間後に出社してみると、待っていたのは仕事の山。

上司は、わたしが休みで仕事が遅れることを取引先に伝え、スケジュールを調整してくれたのですが、その結果、復帰後は、タイトになったスケジュールをこなすという、逆にハードな毎日になってしまいました。

わたしは、休んでいる間、代わりに進めてくれるのだとばかり思っていて…。

いま振り替えれば、気持ちよく休ませてもらえただけでも感謝しなければならないと思うのですが、そのときは、
「それなら、もっと早く復帰したよ…」
と思ってしまいました。

その後も、切迫流産で3度の安静生活を送っているのですが、部署に担当者1人の状態だったので、いざ「今日から休ませてください」となったときの引継ぎには苦労しました。

最初の1週間くらいは、家のパソコンで、自分しか把握していない業務の整理と引継ぎをメールでしているような状態で、
「コレって安静にできてないよね…」
と思いました。

そうはいっても、わたしの職場は、何度も切迫流産で休むわたしに、寛大だったと思います。

突然、長期間休むわけで、上司や同僚には大きな負担をかけたと思うのですが、心無い言葉を浴びせられた記憶はなく、むしろ気遣いばかりしてもらいました。

ただし、じゃあ、持っている仕事をすんなり代わってくれる人がいるかどうかは、また別の問題であるということもよく分かり…。

かといって、「また切迫流産になるかもしれないから、仕事を辞めます」
という勇気もなく…。(次に妊娠できるかも分からないわけで)

一時的に働くペースを落とす

「仕事は辞めたくない」

「でも、いざというときに、もう少し仕事より体調を優先できるようにしたい」

そんな欲張りな悩みを抱えながら、相変わらず不妊と流産と不育症に悩まされる日々を送っていた41歳の秋。

わたしに残された治療期間も、そう長くはありません。

「この先もし妊娠できたとして、仕事に遠慮して十分に休めない状況になったら、一生後悔するぞ」
と思い、わたしがとった行動は、期間限定で働き方の変更を申し出ることでした。

当時、契約社員だったわたしが提示した勤務条件は、

  1. 最低労働時間を減らす
  2. 在宅勤務を認めてもらう

の2点でした。

不育症のわたしは、妊娠できても切迫流産になる可能性大です。

病院も、不妊専門のところと、不育症専門のところの2ヵ所通っていて、妊娠後の通院も、一般的な妊婦さんより増えます。

いざ、そうなったときにのために、はじめから自分の仕事の負荷を減らすために、このような条件を打診しました。

幸い、上司に理解があったことと、部署に新しく頼れる仲間が増えており、「いまならできるかも」という状況に恵まれていたこともあり、わたしの希望は通り、働くペースを落とした条件で契約し直しました。

会社にとって、わたしのような要望を出した人は初めてだったと思います。

でもこの無謀ともいえる要望が受け入れられたから、わたしは会社を辞めずに不妊治療を続けることができ、妊娠後に不育症の治療をスムーズに受けることができました。
(このときは、不育症治療の効果もあってか切迫流産にはなりませんでした)

さらに、出産にあたって産休・育休を利用できました。
(これも、できれば辞めたくなかった理由のひとつです)

「辞める」「辞めない」の2択にしなくてもいい

自分の実体験を通して、不妊や不育症の治療と仕事の両立で悩んだとき、必ずしも「辞める」「辞めない」の2択にしなくてもいい場合もあるのだなと思いました。

もちろん、今まで通りの収入というわけにはいかないし、融通がきく職場ばかりではないと思いますが、「希望は言ってみるもんだ!」と思いました。

辞める覚悟があるなら、
「こんな条件なら、わたしは働き続けられそうだ」
という働き方を、職場に相談してみるのもアリだと思います。

そのためには、自分の状況(不妊や不育症で通院していること)を職場に伝えておくこと、日頃からコミュニケーションを取っておくことも大切です。

わたしの場合、切迫流産になったので、職場に自分のことを伝えざるを得ない状況でした。

本当なら、まだ妊娠を隠しておきたい時期に打ち明けなければならないことは苦痛でしたが、そのおかげで、自分の辛い状況を上司に知ってもらうことができ、それが働き方の変更を受け入れてもらえることにつながったと思います。

テレビや新聞では、働く女性の不妊治療と仕事の両立や、働く妊婦の苦労についての話題をよく見かけるようになりました。

そこにあるのは、辛い思いをしている方の体験が中心で、参考になる事例を知る機会はまだまだ少ないように思います。

でも、働くペースを一時的に落とすことで、仕事を辞めずに継続できる、そそれで助かる不妊症患者や妊婦さんが大勢いることを、企業側にももっと知ってもらえたらと思います。

慢性的な人材不足が続いている昨今、そう簡単に人に辞めれれては困る職場も多いはず。

自分の得意分野を生かして働いている方なら、これを機に、より柔軟な働き方を提案してみることも、(政府主導のものではなく)働く人にメリットのある働き方改革になるのかもしれません。

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