こんにちは。不妊・流産・不育症経験者の やまだ ひまわりと申します。
この記事は、シリンジ法で妊娠した体験をもとに、その方法や工夫した点、キット入手方法をまとめたものです。
- シリンジ法ってなに?
- シリンジ法ってどうやるの?危なくない?
- シリンジ法で妊娠できる?上手くいくコツは?
- シリンジ法の道具の入手方法は?
わたしは顕微授精で妊娠・出産していますが、シリンジ法でも2回妊娠した経験があります(不育症のため流産してしまいました)。
新型コロナウイルスの影響で通院を控える人が増えたためか、マイナーなイメージだったシリンジ法が少しずつ知られるようになってきました。
でもデリケートな話題で身近な人には質問しづらい面も。
そこで、わたし個人がシリンジ法を試したときの方法と工夫した点をまとめました。医療情報ではなく、あくまでも利用者目線の個人的体験であることをご了承ください。
でも、シリンジ法は不妊理由によってはとても有効な手段だと思います。
手軽で安価で人工授精より頻度も高くできるので、悩んでらっしゃる方の参考になれば幸いです。
シリンジ法とは
シリンジ法とは、採取した精液をシリンジ(注射器の針を取った部分)に吸い上げて、膣内に注入する方法です。
タイミング法と人工授精の間みたいなものかなと思います。
シリンジを使うことで、自宅でセルフ人工授精ができます。
日本より海外で普及していた
海外には、ひとつの妊活法として普及している国もあるのですが、日本で広まりはじめたのは割と最近。
わたしが体験したのは2014年頃でしたが、その当時「シリンジ法」という言葉を知りませんでした。
不育症クリニックの看護師さんにシリンジ法の話をしたことがあるのですが、「え?なにそれ?」といった反応。
日本ではそれくらいの認知度だったのだっと思います。
シリンジ法のメリット
シリンジ法にはつぎのようなメリットがあります。
人工授精は病院の予約時間を逆算して行動せねばならず、女性はもちろん男性にとってもプレッシャーです。
その点、シリンジ法は時間に追われずリラックスして取り組むことができます。
仕事の都合などで、不妊クリニックに通うのが難しい方が、まずはトライしてみるのにもおすすめです。
シリンジ法は安全?
2021年8月26日の読売新聞くらし面に「性交にとらわれない妊活」という記事が掲載されました。この記事では、「シリンジ法キット」で妊娠・出産された複数のカップルが紹介されています。
わたし自身、不妊治療をはじめてから、妊活、不妊に関する記事は見つければ読むようにしていますが、新聞で「シリンジ法」という言葉を目にしたのはこれがはじめてでした。
これって、とても大きな社会の変化だと思うのです。
ごく一部の人が読む専門誌ではなく、一般紙の記事として「シリンジ法」が扱われている。この10年でずいぶん社会が変わったと思いました。
記事の中では、生殖心理カウンセラーとして著名な平山史朗先生が次のように語っています。
セックスのことで悩んだ末、子どもは欲しいが、しなくていいと割り切って、他の手法で授かろうと考える人も珍しくなくなった。
2021年8月26日(木)読売新聞くらし面「性の風景2021」
シリンジ法と聞くと、「大丈夫なの?」「安全なの?」と心配される方や、うしろめたさを感じる方もいるでしょうし、当事者以外には受け入れづらい手法かもしれません。
しかし、シリンジ法をすすめているクリニックもありますし、不妊に対処する選択肢としてすでに受け入れられていると捉えてよいのではないでしょうか。
ただし衛生面には気を付けましょう。
キットには1度使ったものの再利用は控えて、毎回新しいものを使うよう注意書きがあります。
わたし自身は、かかりつけの不妊クリニックでキットをもらいましたが、いまは通販で便利なキットの入手が可能です(後半の記事でご紹介しています)。
また、清潔な手で行い、肌を傷つけないよう爪を切っておくと安心です。
シリンジ法は妊娠しやすいの?
妊娠率がアップするとは限らないが、妊娠のチャンスは増やせる
セックスレス、膣内射精障害など、なんらかの理由で性交がうまく持てない、取りづらいカップルにとって、シリンジ法は妊娠するチャンスを増やすことになります。
一方、シリンジ法がほかの方法より妊娠しやすいという根拠はないのではないでしょうか。
普段からタイミングを取れるカップルがシリンジ法を試しても妊娠率がアップするとは限りません。一方、タイミング法の間にシリンジ法を取り入れて頻度を増やすのは有効かもしれません。
ただし、「タイミングを取っても妊娠できない。もしかして不妊?」と思われる方は、シリンジ法の前に(あるいは平行して)不妊クリニックを受診して、何か原因がないか調べてみることをおすすめしたいです。
あとは、不妊治療が長引くと、だんだんタイミングを取ることも難しくなることもありますよね。
妊活疲れというのでしょうか。
そんなときは、シリンジ法を取り入れて心身の負担を減らすことは有効に思います。
また、人工授精は1周期に1回しかチャンスはありませんが、シリンジ法なら複数回トライできます。人工授精と並行して使うこともできますよね。
「不妊を解決するには妊娠のチャンスを増やすことがいちばん」と言われるくらいなので、そのような目的であればシリンジ法は試す価値のある手段だと思っています。
シリンジ法で使う道具
必要な道具は次の2つです。滅菌処理された衛生面に配慮したものを使いましょう。
モノとしては非常にシンプルな道具なのですが、市販のキットは、挿入を補助するカテーテル(シリンジの先端に付けるゴム)が付いているなど、年々便利になっているようです。
シリンジ法のやり方
特に難しいことはなく、容器に採取した精液をシリンジに吸い上げて、膣内に注入するだけです。
得意不得意もあるので最初はうまく出来ないかもしれませんが、何回か行ううちに慣れてくると思います。
シリンジ法を成功のために工夫した点(体験談)
試行錯誤の末、「こうするといいかな?」と工夫した点をまとめました。
医学的根拠がある情報ではありませんのでご了承ください。
また、わたし自身は病院からもらった医療用シリンジと容器を使っています。
市販のキットには取り扱い説明書があると思うので、そちらも参考になさるとよいと思います。
排卵前日、前々日あたりに実施する
シリンジ法に限らず、一般的に妊娠しやすいと言われる時期に実施するのがベストかと思いますので、ご自身の経験値でタイミングの傾向がわかっていればベストです。
タイミングに自信がない方は、排卵日検査薬を使ったり、不妊クリニックでタイミング指導を受けるのもおすすめです。複数回タイミングを取ることも有効です。
排卵予定日検査薬【第1類医薬品】 ドゥーテストLHII 12回分
精液を採取した容器は、冷えないようにタオルなどでくるむ
精子は熱にも寒さにも弱いです。シリンジ法の場合は人工授精と違って、採取から時間を置くことはないのですが、冬は念のため処置が終わるまでは、容器をタオルでくるんで冷えないようにしていました。
気休め程度ですが、人工授精で病院に持参するときの習慣になっていたので、いつもタオルでくるんでいました。
タオルで巻くときは、ひっくり返らないように注意してくださいね。
シリンジ挿入時は腰を高くしておく
注入するときは、横になり、腰の下に枕やクッションを置いて腰を高くしておくと、流れ出にくくなります。わたしはカテーテルを使っていなかったので、シリンジを直接膣内に入れていました。シリンジの根元をしっかり手で持って挿入します。
注入はさっと素早く
シリンジの根本をしっかり固定しながら、素早くさっと注入してしまいます。カテーテルを使うときは、少し勝手が違うかもしれません。
また、採取してから10~15分ほど置いた方がシリンジで吸い上げやすいという説もありますね。
注入後しばらくは腰を高くしたまま横になっている
流れ出るのを防ぐために、30分くらいはのんびりと横になっていました(時間の長さに根拠はありません)。そのまま寝てしまってもよいと思います。
それでも時間とともに流れ出ることがありますが、それは人工授精でも同じことなのであまり気にしなくても大丈夫だと思います。
シリンジ法キットの入手方法
わたしは既に不妊治療をはじめていたので、病院でもらいました(シリンジは確か10mlのもの)。
そもそもは、排卵予定日前後で通院できないときに、「自宅でもできるよ」と先生が渡してくれたのがきっかけでした。
しかし通院しなくても、『シリンジ法キット』はamazonなどで市販されています。
(こんなに手軽に買えるなら絶対に使っていました!)
↓こちらのキットは2016年から販売されています。利用者も、そして実際に妊娠されている方も多くプレビューも高評価です↓
↓TENGAが2020年から販売しているキット。組み立て不要と個包装が便利。使う側の心理を研究して作られているなという印象があります↓
↓こちらはカテーテルがシリンジをすっぽり覆うタイプなので安心感バツグン。使いやすさには個人差があるようなのでレビューが参考になります↓
シリンジ法は、あせらず、リラックスした気分で
シリンジ法は、あくまでも自己責任でやることなので、「試したけど苦手だな…」と思えば他の治療に移るといいと思います。
一方、既に体外受精や顕微授精をされている方でも、治療のお休み期間や、GW、年末年始など病院が長期連休に入って治療を進められないときは、シリンジ法を試してみるのもおすすめです。
わたしがシリンジ法で妊娠したのもそういう時期でした。
⇒不妊治療のステップダウンは有効?~わたしがステップダウンで妊娠したとき~
特に新型コロナウイルスの影響で通院しづらい状況が続いている方は、シリンジ法を併用することで精神的にも安心できるかもしれませんね。
「ダメでもともと」というリラックスした気持ちがプラスに働くこともありますよ!
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