40代の不妊治療。顕微授精か?ステップダウンか? ~体験記その10~

わたしの体験
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顕微授精か?ステップダウンか?

5回目の流産の後、まだやっていなかった夫婦染色体検査を行い、異常がなかったので、次の妊娠ではアスピリン内服とヘパリン注射を併用することとなりました。

さて、わたしたちの手元には、もう凍結胚は残っていません。
不育症を治療しようにも、妊娠しないことにははじまらない。
年齢はちょうど40歳。さて、どうしたものか…。

わたしはふたつの選択肢の間で迷っていました。

<選択肢1>
もう一度採卵からスタートして顕微授精を受ける

<選択肢2>
人工授精にステップダウンしてトライできる回数を増やす

迷った理由は大きくふたつあります。

ひとつは、
顕微授精といえど、年齢があがると妊娠率は低下するということ。
わたしの場合、40歳手前から生理周期が短くなってきていて、妊娠できる卵子が残っているのかも不安でした。(先生が言うには、ちゃんと卵子が成熟していれば生理周期が短くても問題ないそうですが)
これまで1回の採卵で胚盤胞まで育つのは毎回2個だったので、この先は採卵できなかったり、育たなかったりする可能性もあると思いました。

それに、年々、採卵手術そのものも怖くなってきていました。
誘発剤で卵子を増やして、卵巣に針を刺して採るということを、何回も繰り返して体への負担はどれほどのものだろうか…?と漠然と不安を感じたり。

採卵~顕微授精というステップはそれだけで半年近くかかるので、1年で受けられる回数も限られます。移植までのステップのどこかでうまくいかないことがあれば、またやり直しにもなります。そうこうしているうちに歳ばかりとっていくイメージもあって、だったら、人工授精にステップダウンしてトライできる回数を増やしたほうがいいのではないかと。

ステップダウンの目的や考え方について外部の情報を見て、妙に納得したこともことも影響しています。

もうひとつの理由は、
不妊治療で受けられる助成金を既に使い切ってしまっていたこと。
わたしの年齢条件だと助成が受けられるのは通算6回までですが、5回目の流産で上限に達していました。
助成金の存在は、「まだ治療を続けていいいんだ」と、迷う心を後押ししてくれた部分もありました。
「助成を使い切った時が、いい諦めどきかも」と考えたこともあります。(実際は、不育症の治療の真っ最中でとても諦められませんでした)

助成を受けられたとしても大きな出費だったのに、全額自己負担となると、はやり立ち止まって考えてしまいます。

顕微授精を決意した主治医の言葉

結局、ふたつの選択肢で迷ったまま診察に行きました。

…迷ったわりに(笑)、主治医の次の言葉で、あっさり人生4度目の採卵を決意します。

先生「うちの病院では40~45歳の顕微授精の成功率は20%。やるなら顕微授精がいちばん手堅いよ」

ここに流産率は含まれないと思うのですが、まずは妊娠までたどり着きたいわたしにはスルーできない割合でした。

ほんとうのところは気持ちは顕微授精に傾いていて、でも不安もあったので、ポンと背中を押してくれる何かを待っていたのかもしれません。

改めて後悔しないのはどちらの選択かと自分に問いかけてみて、「先のことはわからないけど、ひとまずあと1回は顕微授精にチャレンジしよう」「出費は大きいけど一生続くものではない。今はまだ、できることを納得のいくまでやる期間」だと思いました。

だってまだ、ヘパリンも試していない!

4回目の採卵で再スタート

そんな流れで41歳の誕生日を迎える前に、人生4度目の採卵を行いました。

この採卵では5つの胚盤胞が育ちました。

「5つも!」

今まで1回の採卵で育った胚盤胞はいつも2つ。
それなら今度はひとつも育たないこともあるかと覚悟していたのに。
あと5回もチャンスがあると思うと気持ちに余裕ができました。
「きっと1回くらいは妊娠してくれるはず…!」という淡い期待が胸を過ります。

わたしはこれから、41歳の約1年間をかけて、この卵を体に戻していくことになります。

直感的に、とても大切な1年だと思いました。
いや、「後悔のないようにするには、大切にしないと」と思いました。

妊娠しても、しなくても、これが最後になるかもしれません。

そう思うと、今まで以上に自分の体をいたわって、赤ちゃんが来てくれるように心と体を整えたくなりました。

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