成功=幸せにすると辛さしかない。新時代を生き抜く幸せのとらえ方を考えてみました

メンタルケア
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なぜ不妊治療は辛いのか?

なぜ不妊治療は辛いのか?

その根本的理由は、わたしたちのなかに「成功=幸せ」という考え方が根付きすぎていることにあるのかもしれません。

劣等感からスタートするのが不妊治療

不妊治療は、劣等感からスタートします。

子宝に恵まれないところからはじまるので、スタートラインが既にマイナス地点。

まだなにも始まっていないのに、既に失敗しているような感覚。

失敗から逃れるには成功するしかない。成功する=妊娠しかない。

まだなにもはじまっていないのに、プレッシャーしかありません。

成功と幸せは本来別物

でも、不妊治療によらず、成功って誰もが手にできるわけでもないし、努力すれば必ず手に入るわけでもない。

東京五輪の切符を手に入れた池江璃花子選手の言葉「努力は必ず報われる」が話題になりました。

池江選手が逆境を乗り越えて他人には推し量れないほどの努力をされたことは万人が認めるところでそれを否定する人はいないでしょう。

しかし勝負の世界、勝者の裏には必ず敗者がいます。ではその敗者が努力をしなかったかといえば、それも違いますよね。

勝者=成功者しか手に入れられないものが幸せだとしたら、幸せって随分と薄っぺらいものだなと思います。

成功したからこそ得られる幸せは確かにあるでしょう。でも、それって狭義の幸せなんだと思います。

不妊治療では、その狭義の幸せに執着してしまいますが、執着すればするほど、現実が辛くなるというジレンマに陥ってしまいます。

幸せが先か、成功が先か

不妊治療と流産を繰り返すなかで、「幸せってなんだろう」といつも考えていました。

その答えはいまもよく分かりませんが、「『子どもがいれば幸せ』と思っているうちは、わたしは幸せにはなれないな」と漠然と思うようになりました。

なぜなら、それは幸せを自分の外側に求めている状態だから。物事の結果に幸せを依存している状態だから。

自分の外側に幸せを求めてしまうと、ずっと成功し続けないと永遠に幸せにはなれません。

でも、人間、ずっと成功し続けるなんて不可能です。そもそも成功を支えているのは失敗だったりするし。

「子どもがほしいのは、それが自分にとっての幸せだから。でも、子どもが先か、幸せが先かというと、幸せが先にないと幸せにはなれないよね」

なんだかややこしいですが、そんなことを考えていました。

成功=幸せの時代はもう終わり

そうはいっても、わたしたちの思考は成功とか、手にいれること=幸せという感覚が染み付いています。

ずっとそんな社会で育ってきたのだから仕方のないことです。

「子どもがいる=幸せ」という価値観も、人間の本質的な部分でありつつ生きていくなかで無意識に身に付けていった価値観でもあります。

でも、そんな価値観ももう過去の時代のものになっていくかもしれません。いま、世の中の価値観が大きく変わろうとしています。

占星術に興味のある方なら、「風の時代」という言葉を耳にしているかもしれません。

わたしはそちら方面に詳しいわけではありませんが、関連本を読んで、コロナ以降起きている出来事とあまりにぴったりなので、そしてこれからの時代を生きる上で決して悪い話ではないと思ったので参考にしています。

風の時代といわれるこれからの社会は、これまでの土の時代(物質の時代)=経済史上主義の時代ではなくなるというはなし。

経済史上主義の時代は、さらにその前の火の時代=ヒエラルキー(階層)の時代と違って、市民が富を得られる時代でしたが、一方で社会や市場に価値観がしばられ、みな同じものをめざすような社会でした。受験や就職など、あらかじめ整った枠組みのなかを生きることか主流とされる社会でした。それは、結婚や出産を含めた女性の生き方にも表れていたと思います。

しかし、風の時代は、土の時代が築き上げていた常識や当たり前が、こことごとく崩れていく時代。

これまで主流であったものが音を立てて崩れていく様は、コロナ以降多くの人が目の当たりにしています。

もう、社会に縛られることはない。

子どもを授かりたいという本質的なものが消えるとは思いません。

でも社会全体が様々な価値観を受け入れるようになることで、今まであった固定観念が薄まり、人と比べて焦ったり、自分が上とか下とか、優れているとか劣っているとか、そんな思考にいちいち悩まされなくなるのではないでしょうか。

成功=幸せという価値観も、手に入れることや多くを持つことを求めてきた物質の時代が作り上げてきたようなところがあるのではないでしょうか。

成功というのは、あくまでも幸せの形の一部でしかなく、幸せというのはもっといろいろな姿形でわたしたちの目の前に存在する。それをたくさん感じられる人が、これからの時代を豊かに生きていけるのだと思います。

私自身、こう書いておきながら、やっぱり成功したいし手にいれたい。がっつり子宝に執着して不妊治療してきた身。40年間染み付いてきた感覚を急に変えることもできないのですが、目の前からたくさんの喜びと幸せを感じることの大切さだけは、治療生活を通して痛感もしました。

幸せは確かに、手に入れるより感じることのほうが先なのだと思います。

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