高齢出産のリスクと、隣り合わせの不妊治療だった
38歳で第2子を流産して以降、諦めきれず不妊治療を続けてきたわたしですが、高齢になるに連れて様々なリスクが高まることは、ずっと頭の片隅にありました。
そのなかで、いちばん気になったのは赤ちゃんの障害です。
41歳で念願の次男を妊娠したときも、出産してみるまで、その不安は完全には消えませんでした。
9週からNT(むくみ)が気になりだす
過去の5回の流産経験から、ずっと“10週の壁”を超えることを目標にしていたわたしは、その時期を6年ぶりに過ぎることができ一安心。
しかし、入れ替わりで気になりだしたのが、胎児の首の後ろにみられるという、むくみ(NT:Nuchal Translucency)でした。
決められた週数の時に、NTが3ミリ以上あると、ダウン症の確率が高まるといわれています。
妊娠9週
最初に「あれ?」と思ったのは9週の頃。
指摘したのは医師ではなく、わたし自身。
「首の後ろにむくみ…。ありませんか?」
過去の稽留流産でNTが疑われたので、先生は何も言っていなかったけど、自分でエコー画像をみて気になってしまいました。
測ってもらうと2~3ミリくらい。
先生「まだ9週だからねぇ」
NTは妊娠11週~13週頃に判断するそうで、まだ気にするには早過ぎるとのこと。
そういわれても、知識のないわたしには、「9週も11週も、たいして変わらないんじゃ…」と思えてなりません。
妊娠10週
この頃は不妊治療と不育症で、2つの病院に交互に通っていたので、毎週診察してもらっていました。
10週のエコーでも、首のうしろに3ミリくらいの黒い空間が…。
気にして見るから先週よりも厚くなっているようにも思えて…。
この頃が不安のピーク。
スマホで同じくらいの週数の方のエコー画像を見ても、同じように首の後ろに影か見えるものはほとんどなくて、「あれは、やっぱりNTなのかも…」と落ち込みました。
心配しすぎるわたしを見た母から「もっと安心しられ!」と喝を入れられたほどです。
妊娠11週
11週目の診察。
あれだけ不安だったNTが、ほとんど分からくなっていました。
測ってもらうと約1.2ミリ。
10週で3ミリ程見えたことを話したら、(この時期は通常、経腟エコーしかしないのだけど)経腹エコーを使って丁寧に診てくれました。
すると、エコー中に、赤ちゃんがピョンと跳ねたのです。
すると、むくみのように見えるラインが、赤ちゃんの体から離れるのが分かりました。
先生「このラインは、羊膜だね」
胎児ドックではないので、目安でしかないけど、「もう心配しない」と決めました。
NTは生理現象のことも多い
後になって長男のエコーを振り返ると、長男にも10週頃のエコーにNTのような影があることに気付きました。
当時は「NT」という言葉さえ知らなかったので、疑うこともなかった。
今回は、中途半端に知識が増えてしまったことで、自ら不安の種を作ってしまったんだなと思いました。
専門医の話では、NTはほとんどの場合、生理現象で出るむくみであり、すべての赤ちゃんに多かれ少なかれ存在するのだとか。
素人判断で心配のしすぎはよくないなと反省しました。
わたしに出来ることは、明るく笑って過ごすことだけだった
心配しても仕方がないことを心配してしまうのが私の心のクセです。
41歳での妊娠した以上、リスクは1つではありません。
この先も何か見つかるかもしれないし、生まれるまで分からないこともある。
「それなら、いまのわたしに出来ることは、笑って過ごすことだけだ」
妊娠中は明るく過ごすことが難しくなる時が度々あるけど、心配が赤ちゃんに与えるメリットは何もありません。
ダウン症の不安が和らいだのは、胎動を感じるようになってから
こうして、できるだけ明るく過ごそうと心がけましたが、やっぱり不安と隣り合わせの日々でした。
そんな不安が和らいだのは、胎動を感じるようになってからです。
正確には、不安は消えなかったけど、「この子は確かに生きているんだな」と感じられたことで、「何が合っても受け入れよう」という覚悟ができたという感じでした。
ダウン症の心配から学んだことは、「不安が消える日を待っていてはいけない」ということでした。
子を持つと決めた以上、あらゆる不安がゼロになることはないでしょう。
生まれてからも、なお、いろいろな事がおこります。
だから、自分のなかで不安を処理して、うまく付き合っていく術をもたなければならないのだな、とそんなことを学んだ一件でした。
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