勇気を出して初めての通院。人工授精で妊娠できると思ったけど…
不妊治療のためにクリニック通いをはじめたのは、結婚3年目のことでした。
いまではもう遠い記憶の彼方ですが、
「病院に行きたい」と思って、
それを旦那さんに打ち明けて、
初診の予約を取るという最初の一歩は、
それはそれは、大きな勇気が入りました。
我が家の場合、
旦那さんが子どもを持つことに対して
どの程度の考えを持っているかも謎だったので。
(そういう話を後回しにして暮らしてきました)
もう最初の一歩から、女性のほうが負担が大きいと思います。
夫婦の問題のはずなのに。
で、ドキドキしながら生殖医療という未知の世界に足を踏み入れたのですが、
最初のうちは、これといった原因もわからなかったので、
「人工授精で妊娠できるんじゃないの?」と、軽く思っていました。
通院をはじめられたことで結構安心していて、
「まぁ近いうちになんとかなるだろう」と思っていました。
ステップアップで分かった “受精障害” という不妊の原因
ところが、何回トライしても妊娠には至りません。
(回数は忘れてしまったのですがたぶん5、6回くらい)
通院開始から1年を待たず体外受精にステップアップすることになりました。
初めての採卵では、確か16個くらい卵が採れました。
しかし、受精したのはたった2つ。
先生「これは受精障害かもしれないね」
ここで初めて、今まではっきりしなかった原因らしきものに出会ったのです。
*受精障害
卵子と精子が出会っても、何らかの原因で自力で受精できない。体外受精にステップアップしてはじめて分かることがほとんど。
結局、2つの卵はいずれも着床しませんでした。
受精障害でも、顕微授精で妊娠できた
先生「次からは顕微授精だな」
け、けんびじゅせい…!
その言葉の響きに驚きつつも、
こう、順番にステップアップしていくと、
「あぁ、そんなものなのか」と思い、さらなるステップアップに臨みました。
そして、幸運なことに最初の顕微授精で妊娠し、36歳で長男を出産することができました。
クリニックに通いはじめたころは、
まさか私が顕微授精まで経験するとは夢にも思いませんでした。
でも治療をはじめてみると、
検査も高度な治療も突然のことではなく
ステップアップして出会う出来事なので、
「気が付いたらそこまできていた」という感覚です。
人工授精がダメ、体外受精がダメ、
となれば、残るは顕微授精。
それがいちばん可能性が高いとなると、トライせずに断念する理由はありませんでした。
妊娠に至るまで、検査結果が出る度に真っ白な検査薬を見る日々は辛いものです。
世界がグレーに見えていました。
それでもステップアップという選択肢があったから「次がある」と希望を持って治療を続けることができたし、
その過程で不妊の原因も分かり、顕微授精ですんなり妊娠できたので、
いま振り返るとスムーズな治療生活でした。
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