顕微授精での胚移植が陰性続きだったとき、何より辛かったのが、結果を知るたびに、ひどく落ち込む心の動きでした。
毎月、毎月、期待しては裏切られることの繰り返し。
「不妊治療に振り回されっぱなしな心の状態を何とかしたい…」
そう思って、お坊さんに相談したことがあります。
相談といっても、お寺に出向いたわけではありません。
「ハスノハ( https://hasunoha.jp/ )」というサイトを利用しました。
人生のさまざまな悩みについて、全国のお坊さんが回答してくれるサイトです。
不妊のカテゴリーもあります。
ずっと他の方の悩み相談を読んで心を落ち着けていたのですが、それだけでは満足できなくなり、とうとう自分で質問しました。
投稿内容は、ざっくりとこんな感じです。
後悔のないよう、あと1年くらいは不妊治療を続けたい。
でも、期待したり落胆したり、心に湧くさまざまな感情と付き合うことに疲れてしまった。
虚しさも感じる。
「もう、わたしのもとに赤ちゃんは来ないのかも…」とも思う。
前向きでいることにも疲れた。
いっそのこと心を“無”にしたい。
残りの治療期間をどんな気持ちで過ごせばよいだろうか…。
いま読み直すと、
「わたしはこんなに追い詰められていたんだ…」
と思います。
渦中にいたときの自分の心情がとてもよく分かります。
回答が付くのだろうかとドキドキしていましたが、ありがたいことに2人のお坊さんが回答してくださいました。
この回答から、わたしはとても多くのことを学びました。
ここからヒントを得て、自分なりに心の整理をできた部分もたくさんあります。
わたしの心に刺さった部分を抜粋してみました。
<お一方目>
仏教では、子ができる、できないは神仏のお計らい。
たとえできなくても夫婦の人生が不幸になるわけではありません。
まず大切なのは、今ある現状を大切にすること。
授かった長男を立派な社会人にすることが夫婦の目標だと思います。
「私たち夫婦の目標」という言葉にはドキッとしました。
二人目に執着して心を浪費し、いま目の前の生活をないがしろにしているんじゃないか…と感じていたからです。
<お二方目>
「期待も落胆もせず、心を無にして」というのは一番いいように思います。
あとは、赤ちゃんが授かりますようにとお仏壇にお祈りし、仏さま、ご先祖さまに、まかせ切る、ゆだね切る。
ご自身は、生活と体を整えることに留意され、ご家族で明るいお気持ちで過ごされるのがよいのではと思います。
授かるかどうかは「お祈りして、仏さま、ご先祖さまに、まかせ切る、ゆだね切る」
簡単なことのようで、全然できていなかったことでした。
授かるかどうかは、考えても解決できる問題ではないのに、それに頭を使いすぎるから心が疲れるのだと思います。
「考えても解決できないことは、仏さま、ご先祖さまにゆだね切ってしまおう」と頭のなかで、イメージを描いてみると、心がふんわり軽くなるような気がしました。
この教えにヒントを得て、自分なりに心を整理してみたのがこの記事です。
子は授かりものということ。
子どもができなくても、人生が不幸になるわけではないということ。
理屈では分かっていても、心にストンと落ちてくるまでには時間がかかります。
こうやって諭してもらいながら、ゆっくり地道に心に刷り込んでいけたらと思いました。
お坊さんに知恵をお借りする。
ぜひ、おすすめしたいです。
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