不妊治療とは、待つことの繰り返し
みなさんは、不妊治療において何が一番辛いでしょうか。
- なかなか妊娠しないこと
- お金がかかること
- 治療と仕事の両立
- 周囲の理解
- 治療そのものへの恐怖や痛み
不妊治療で辛いこと、大変なことは数え上げれば切りがないほど多岐にわたりますよね。
ではそのなかで、わたしが一番辛いと思ったことは何か…。
それは断然「待つこと」でした。
長い治療生活を経て、不妊治療は突き詰めると待つことの連続だと思いました。
治療開始から採卵までの間
採卵から移植までの間
移植から判定までの間
体外受精や顕微授精は治療のステップも多いので、ひとつひとつのハードルを乗り越えていく必要がありますが、わたしにとって、そのほとんどの時間は待つ時間という感覚でした。
そして、1回で妊娠できるとも限らないので、次の周期、また次の周期…と、授かるのをひたすら待つ…。
なかなか忍耐力、精神力がいることだと思います。
特に苦労したのが移植から判定日までの数日間。
わたしが通っていたクリニックでは移植から約10~12日後が判定日だったのですが、その期間がなんと長く感じることか!
通院しなくてよい期間なのでリラックスして待っていればそれでよいのですが、早く結果を知りたい気持ちを抑えきれず、何か手掛かりはないかとネットで調べてみたり…。
- 今回のグレードだと着床する確率はどれくらい?
- 着床は移植から何日後くらい?
- 着床痛や着床出血ってあるの?
- フライング検査はいつからしてOK?
- 自転車に乗るのはよくない?
寝る前に、布団のなかでこんなことを調べだしたらあっという間に1時間、2時間経ってしまいます。
そして目も頭も冴えてなかなか寝付けず、そんな夜に考えることといったら不安や心配事ばかりという悪循環…。
リラックスどころではなくなってしまいます。
待つ時間をいかにして過ごすか
「待つ時間を制するものは、不妊治療を制する」
とわたしは勝手に思いました。
「制する」というのは妊娠できるという意味ではないのですが、心が折れることなく前向きに治療と向き合うには、待つ時間の過ごし方は大切なんじゃないかと思いました。そして自分自身の課題でした。
長い治療期間を、焦りや不安で心をいっぱいにしながら過ごすことが、プラスに働くとは思えません。
治療を辛いものにしないためには、いかにリラックスした気持ちで待っていられるかがポイントになってくる気がします。
かといって、なんとなく過ごしているだけでは、人の心はネガティブなほうに流されてしまいます。 だから、
- まず、未来の不安・心配から目をそらし、いま、目の前のことに目を向けて集中する
- 待っているときだからこそ、いまの生活を楽しむ工夫をする
- 充足感を感じられるものに心を向けるようにする
こういったことを意識的に行うようにしました。焦る心がゼロになることはなかったけど、少しずつ、いまに集中できる時が増えていきました。
そんなことをやっていて、ふと、何かを待っている時間って、結構多いなぁ、人生は待つことの連続なんだなぁと思いました。
試験の合格発表、採用面接の結果待ち、病気の検査結果待ちなど…。
どんな気持ちで待っていられるかが、その人の生き方でもあり、
人生を豊かなものにも、辛いものにもするような気がしたのでした。
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