わたしは二人目不妊治療中、
妊娠→出血→絨毛膜下血腫→流産
を繰り返していました。
その回数は5回。
その後、不育症の治療を受けることで、
絨毛膜下血腫を予防して二人目を出産することができました。
このページでは、出産に至るまでの経緯をまとめてみました。
不育症患者の絨毛膜下血腫の一症例として読んでいただけると幸いです。
絨毛膜下血腫から不育症が分かるまで
毎回できる絨毛膜下血腫に悩まされる
一人目の出産時、苦労したのは妊娠するまででした。
顕微授精の末に陽性判定をもらった後は、大きなトラブルもなく、
ごく普通の妊婦さんと同じように出産まで過ごすことができました。
ところが…、
二人目の不妊治療をはじめると、
妊娠はしても、なぜか毎回、絨毛膜下血腫に…。
そして流産…。
はじめのうちは、
「流産は誰にでも起こること」
「これは、たまたま起こってしまったに過ぎない」
という認識しかありませんでした。
3回連続で同じことが続いてやっと、
「これは何かあるのでは…?」
と思いました。
そこから、不育症を疑うようになりました。
不育症検査で血液凝固異常がみつかる
結局、不育症の病院で受けた血液検査で、血液凝固異常がみつかりました。
抗第Ⅻ因子抗体という自己抗体を持っている疑いがあったのです。
この抗体は、血小板を刺激して凝集させ、血栓をつくり流産を引き起こす可能性があるそうです。
絨毛膜下血腫と不育症の関係
不育症で絨毛膜下血腫になるメカニズムは?
不育症検査の結果を聞いたとき、先生からそのメカニズムも教えていただきました。
マウスの実験があるそうです。
妊娠したマウスに抗第Ⅻ因子抗体を投与すると、胎盤に血栓や出血が見られるそうです。
胎盤の血管が血栓で詰まり、血管が破壊されて出血。
これが、不育症患者によく見られる絨毛膜下血腫ということでした。
どうも、最初の妊娠・出産を機会に、この抗体ができる人もいるのだとか。
(出産時の出血を抑えるために、体は血液を固める方向に働くのだと、別の場所で聞いたこともあります)
そうだとしたら、二人目の時に限って、絨毛膜下血腫になってしまうことも説明が付きます。
不育症の症状としての絨毛膜下血腫
出血や絨毛膜下血腫は、不育症の症状であり、わたしが不育症である以上、
絨毛膜下血腫を防ぐことはできなかったのだと、いまは思っています。
(主治医にそう言われたわけではないけれど)そう考えると、自分の身に起こったことのつじつまが合い、気持ちの整理ができました。
絨毛膜下血腫は予防できる?
わたしのような血液凝固異常の不育症患者は、バファリン(またはバイアスピリン)を服用したり、ヘパリンを注射したりして子宮内の血栓を予防し、血液を固まりにくくすることが有効とされています。
わたしの場合、バファリンの服用だけでは血腫も流産も防ぐことはできませんでしたが、ヘパリン注射を打ちはじめたことで、やっと出血もなく、絨毛膜下血腫もできることなく、出産まで過ごすことができました。
絨毛膜下血腫は妊婦さんなら誰にでも起こり得ること、防ぎようがないと言われます。
一方で、わたしのように不育症のリスク因子を持っている人は、その治療によって防ぐことができるかもしれません。
(絨毛膜下血腫ができる=不育症ということではありません)
ただし、ヘパリン注射打っても、出血や血腫ができてしまうことはあるそうです。
もともと血栓傾向がある人に治療を行っているので、それは避けられないとか。
それでも、ヘパリン注射を打つことで、出産までたどり着ける可能性は高くなるそうです。
まとめ:絨毛膜下血腫を予防して出産できた
ずっと、絨毛膜下血腫が恐怖でした。
5回も苦しめられ、安静生活の辛さから、流産の原因を絨毛膜下血腫だと思い込んでいました。
しかし、自分の状況を整理してみると、絨毛膜下血腫は不育症の症状として現れたものでした。
不育症の原因(血液凝固異常)に対して、バファリン服用とヘパリン注射を続けることで、
絨毛膜下血腫になることなく、出産することができました。
いろいろと遠回りしたため、流産歴は多くなってしまいましたが、
毎回の流産に対して足りない検査を行い、次の治療方針を決める、
ということを繰り返したことで、時間はかかったけど望む結果を迎えることができました。
よくわからない状態…、つまり、
「なぜ自分の身にこのことが起こっているのか解明できていない状態」
というのはストレスが多いし、不安です。
そういったものを、適切な検査を受けて対処していくことは、心の安心にもつながります。
そのことを体感したのが、この一連の出来事でした。
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