自分の妊活、不妊治療を通して、ほどよい距離で情報と付き合うことは、とても大切なことだと思いました。
スマホひとつで、いつでもどこでも、なんでも調べられる世の中。
気になるからと、つい検索してしまうことで、新たな不安を抱えてしまうこともあるからです。
胚盤胞のグレードが気になり、スマホで検索
不妊治療中に「気にしすぎてよくなかったな」と思うことは山ほどありますが、そのひとつが受精卵のグレードです。
体外受精、顕微授精では、得られた受精卵を見た目で分類します。
たとえば、受精から5日目にあたる胚盤胞(はいばんほう)の場合、5AA、4BB、3CC…というふうに表します。
数字が大きい方が成長の段階が進んでいて、CよりB、BよりAのほうが状態のよい良好胚ということになります。
わたしの場合、毎回4BB以上のものを凍結、移植していました。
良好胚ほど妊娠率がよいので、5AAとか5ABとかでないと、ちょっと不安に思ってしまうのですが、よく言われるのは、グレードは見た目の上での分類であり、妊娠の可能性が十分にある胚だから凍結しているのだということ。
移植する胚が決まったなら、わたしたち患者が知っていればよい情報はそれくらい。 それ以上の細かなことは、知らなくても治療には何も支障はありません。
でも、気になって調べてしまうんですよね。
これから戻す胚盤胞にどの程度妊娠する可能性があるのかと…。
もっと確実な情報がないかと…。
調べても調べても不安は消えない
わたしが最後の採卵で得た胚盤胞には、6日目の胚盤胞(4ABと4BB)がありました。
受精卵は、5日目で胚盤胞になるのが一般的なので、6日目というのは少しゆっくりペースです。
過去の採卵でできた胚盤胞に6日目胚はなかったので、これも年齢のせいなのかと思いました。
そして心配になるわけです。
「6日目でも大丈夫なのか…」
「4BBでも妊娠できるのかと…」
検索すると、こんな細かいことでも誰かが記事にしてくれているんですよね。
わたしは、お医者さんのブログで見つけました。6日目胚も凍結して5日目相当に移植すれば妊娠できる。4BBでも十分に妊娠できると。
これを見て私はどう思ったか?
安心しました。
でも、同時に思いました。
もっと安心したい!!
「だって、そうはいっても5日目胚のほうがいいに決まってる。5AAのほうが妊娠率がいいよね…」
そして、ほかにもわたしを安心させてくれるような情報はないのかといろいろ調べるのですが、自分が望むような(100%安心できる)答えが載っているわけはありません。
結局、調べても調べても、不安は消えません。
それもそのはず。
なぜなら、わたしが本当に知りたいのは、ほかの誰でもない「わたしが妊娠するかどうか」なのだから。
そしてその答えは、判定日まで誰にも分らないのです。
情報よりも必要だったのは「待つ力」
判定日。
6日目胚盤胞4BBで陽性。妊娠・出産までたどり着くことができました。
すべてを終えてみると、わたしが知っていればよかった情報は、やっぱり
「凍結した胚はすべて妊娠できる可能性がある」
ということだけでした。
それ以上詳しいことは、医療現場は知る必要があってっも、移植を受ける側が知ったところで一喜一憂するばかり。
知ることで安心できるならまだしも、さらなる不安を掻き立てられるなら精神的にもよいことはないわけで…。
わたしに必要だったのは、情報よりも忍耐力。結果が出るまでじっと待つ力だったのです。
情報では安心は得られない
いま、スマホで自分が気になっていることを検索すると、大抵のことは、すでに他の人が質問していて、誰かが答えてくれています。
「みんな同じことが気になるんだ、悩んでいるんだ」と、それらの投稿を見て勇気づけられることもあります。
でも、自分とぴったり同じケースがないと余計に不安になったり、得られた回答に満足できず、さらに検索してみたりと、終わりのない検索地獄にはまってしまうことも…。
大切なのは、様々な情報に触れながらも、最後は自分のカラダに備わっている「自然一部である人間のもつチカラ」を信じてあげることなのかなと思いました。
いちばんよくないのは、情報に振り回されすぎて、自分が本来もっているチカラを見失ってしまうこと。
頭を使いすぎたり、心を不安や心配でいっぱいにしてクヨクヨ考えていると、そのチカラが十分に機能しなくなってしまうような気がします。
そうならないために、妊活中、不妊治療中は、情報と上手に付き合っていくことが、とても大切だと思いました。
スマホに答えは出ていないのだということを、改めて自分に言い聞かせたいです。
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