【不育症の妊婦生活】不育症でも仕事しながら出産できるのか?

不育症
Photo by シルバーブレット(photoAC)

5回の流産を経て、念願の妊娠が発覚したとき、わたしは契約社員として働いていました。

「不育症のわたしが、仕事と妊婦生活を両立できるだろうか…」という不安もありましたが、「妊婦である自分」と「働く自分」のバランスに気を使いながら、産休に入るまでなんとか働き続けることができました。

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不育症の人は、妊娠したら仕事を辞める?辞めない?

わたしの不育症治療は、アスピリン服用とヘパリン自己注射です。

ヘパリン自己注射の指導を受けに行ったとき、看護師さんに聞いてみました。

「お仕事されている方って、どうされているんですか?」

「みなさん、注射器を持参されて職場で打っていますよ。そういう方、多いですよ」

すごい!

不育症と分かっている人は、過去に何回か流産しているはず。

そんな中での妊娠は不安も大きいはず。

それでも仕事を辞めずに続ける方がいると聞いて、励みになりました。

出血したら休むのか?出血しないために休むのか?

わたしには、もうひとつ素朴な疑問がありました。

ヘパリン注射を打っていると出血しやすくなるといいます。

では、出血しないようにするために、静かに過ごしたほうがよいのか…?

出血しないために、仕事は休んで安静にしていたほうがいいのか…。

それについて、先生にも聞いていましたが、別に普段通りに生活していて大丈夫そうでした。

ただ、2時間以上の歩行は出血につながりやすいのでやめたほうがいいと。

そして、もし出血したら安静にするしかないと。

安静にするほか出血を止める方法はないと。

あと、ヘパリンを打っていると出血傾向にはなるけど、出血しても出産までいける人が多いから、そこはグッとこらえて乗りきってと。

不育症と妊婦と仕事の両立。わたしが心がけたこと

わたしは、この妊娠より半年ほど前から、不妊治療を受けやすくするために、在宅ワークの許可をもらっていました。

41歳。

「これが最後の妊娠になるかも…」という覚悟もあったので、今回の妊娠では最大限に活用させてもらおうと思いました。

そして、過去5回の妊娠では毎回出血していたので、今回は、はじめからいろいろと気を付けながら働いていました。

残業を避ける

職場で自己注射している方もいると看護師さんはおっしゃっていましたが、わたしは反対に、「注射は必ず家で」と決意しました。

なぜなら、職場に注射するということは、わたしの場合、残業OKにするということ。

体の負担を軽くするために時短労働(16時退社)の生活を続けていたので、いまさら残業OKにすると意味がなくなってしまいます。

本来は夜遅くなることもある職種なのですが、そこは同僚に、自分の不育症のことを正直に話して、サポートしてもらえるような環境にしました。

ただ、万が一に備えて注射器は常に携帯していました。

在宅勤務を活用する

仕事内容を調整して、家でできる業務には在宅勤務を利用しました。

実際に在宅勤務を経験してみると、利用して本当に良かったと思いました。

一番良かったのは、通勤がないこと。

わたしの通勤時間は徒歩と電車で1時間もかからないのですが、それでも妊娠中に毎日通勤するのは疲れます。

乗りたい電車に遅れそうで、小走りになる日もよくありました。

それがないことで、体の疲れはたまりにくかったように思います。

また、自宅で仕事していると、突発的な仕事はほとんど入りません(その分、同僚に負担をかけているわけですが)。

その日にやりたいことを効率よくできたので、ストレスもたまりにくいです。

毎日ではないにしても、時々在宅勤務を利用できたことは、心にも体にもよかったと思います。

ギリギリまで頑張らない

つい頑張ってしまう性格です。

退社時間になっても、「もう少しで、この仕事が終わる…!」と思って残業してしまうこともありました。

明らかに切迫流産なのに「この程度の出血では休めない」と思って出勤したこともありました。

わたしが頑張ってしまうのは、責任感が強いというより、人に気を使って周囲に遠慮する性格だからです。

でも、もう、そういう頑張りはやめようと思いました。

不安な時は思い切って休む

「あれ?ちょっとおりのものが茶色いかな?」

という日も、仕事を休んだり、在宅勤務に切り替えたりしました。

妊娠中のわたしが一番怖かったのは出血です。

おりものが、そのままおさまるか、出血に変わっていくのかは分かりません。

もし、出血に変わってしまったら、自宅安静の日々が続きます。

それだけは避けたいと思ったので、不安な時は一度休んでみることに。

大丈夫なら安心して出勤できるので。

仕事は必ず代わりがいる。自分の体を大切に

仕事には必ず代わりがいる

長い間わたしは、妊娠や切迫流産で仕事を休むことにとても抵抗がありました。

「こんなに忙しくて人もいないのに仕事を休めない…」とすごく思っていた時期があります。

でも、全て終わったいまだから言い切れることがひとつ。

仕事を休めないと悩んでいた時期に、では自分がどんな仕事をしていたのか覚えているかというと…、

ほとんど覚えていません!

その当時、どんな仕事をしていたのか、何で忙しかったのか、1年経たない時期から、既に思い出せなくなっていました。

言い方は悪いですが、仕事なんて、そんなもん。

そして、みんなが言う通り「仕事には必ず代わりがいる」。

なかなか休めなかった時期は「そうは言っても、わたしの仕事を変わってくれる人がいないんだよ…」って反論したい気持ちでしたが、やっぱり…代わりはいるんです。

会社員であればなおさら、何らかの方法で必ず穴は埋めれられる。

妊娠中の半年くらい、ゆっくり過ごしたって大丈夫!

真面目な人ほど、自分を守るためにサボることは大切だと思います。

体調も症状も、本人しか分からない

ヘパリン自己注射のおかげか、この妊娠では心配されるような出血もなく無事出産の日を迎えることができました。

ただ、それは結果そうだったということであって、過去に5回も流産している以上、何があってもおかしくなかったと思います。

不妊症よりも世の中の認知が低い不育症。

わたしが、どんなリスクや不安を抱えながら働いていたかは、職場の人には分かりません。

妊娠した時の体調は個人差がありすぎて、察してもらおうにも限界があります。

だから、こればっかりは、遠慮したり気を使い過ぎてもいいことがない。

特に流産しやすい大切な時期は体を優先して間違いないと思います。

つい頑張ってしまうみなさまへ。

いまだけは自分中心になって、マタニティライフを安心して過ごしましょう!

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