前回の記事では、不妊治療中の情報との付き合い方について、受精卵のグレードを例にまとめてみました。
もうひつとう、わたしがとても情報に翻弄されたケースがあります。
それは確率です。
わたしは、この確率というものに、かなり翻弄されました。
頼りにしすぎたばかりにショックを受けたというか…。
心拍確認後の流産の確率は?
切迫流産での安静生活中、わたしの一番の関心事は、
「流産はどれくらいの確率でおこるのか?」
ということでした。
特に「心拍確認後の流産の確率」について。
5回の流産のうち、4回は心拍確認後だったのです。
何度も何度もスマホで検索しました。
何回検索しても、出てくる記事はそれほど変わらないのですが…。
心拍確認後の流産の確率について検索すると、いくつかの情報がヒットします。
たとえば、
心拍確認ができたとしても、そのあとに流産することはあります。発生頻度は、全妊娠の約10~15%と言われています。
https://mamari.jp/24101
心拍確認後は流産の可能性はぐっと下がり、およそ3~5%ほどになるとされています。
https://mamanoko.jp/articles/17254
日本産科婦人科学会によると、エコーによる心拍確認後に流産が起きる割合は全流産のうち16~36%ほどあります。
https://192abc.com/60609
…けっこうバラバラ。
5%と聞くと低いような気もするし、36%と聞くと「え!そんなに?」と思うし、どう解釈するかは人それぞれなのでしょうが、わたし自身は、自分を安心させたくて検索しています。
いろいろ見ながら、
「心拍確認後は流産の可能性はぐっと下がるんだ…。心拍確認後はほとんどのケースで妊娠継続できるんだ…。大丈夫、大丈夫…」
と、得られた情報を心の支えにしようとしていました。
しかし流産。
「妊娠継続できる人のほうが多いのに…」
裏切られたような被害妄想を勝手に抱えたりしていました。
流産を繰り返す確率は?
ほかにも、2回目の流産を経験することになる切迫流産中には、
「流産を繰り返す確率はどれくらいだろう?」と検索しました。
厚生労働省不育症研究班の調査によると、妊娠経験者のうち1回の流産経験者は約40%、2回は4.2%、3回以上は0.88%いました。
https://dual.nikkei.co.jp/article/054/58/
妊娠したことのある人の2人に1人は流産を経験しているけれど、2回、3回と経験する人はこんなに少ない!
「だったら大丈夫だろう」
と、根拠なく安心していたのですが、結局わたしは「3回以上0.88%」なかに入ってしまいました。
どうして「そこには入りたくない!」と思っている少数派に自分は入ってしまうんだろう…。
(宝くじは当たらないのに!)
わたしにとっての確率は、いつも50%
ほかにも、年齢別の妊娠率、顕微授精の成功率、ダウン症の確率、早産の生存率…。
不妊症と不育症で常に不安いっぱいのわたしは、出産を終えるまで、本当にいろいろな確率や割合、平均値などを調べまくっていました。
いろいろな確率を見ては一喜一憂しながら治療を続けてきて気づいたことがあります。
たとえそれが、どんなに起こる可能性の少ないことであっても、
「わたしにとっては、どんなことも50%の確率で起こるのだ」
ということです。
この捉え方が正しいのかは分かりません。
でも、強く思ったのは、結局、世の中にどんなデータがあっても、当事者にはあまり関係ないんだってことです。
統計やデータはその分野に従事している専門家のためのものです。
たとえ、世の中がどんな傾向であれ、わたしが「妊娠するか、しないか」「流産するか、しないか」の可能性はいつも半分なんですよね。
1000人うち、たとえ何人妊娠しようと、そのなかの1人である「わたし」が妊娠しないと、何の救いにもなりません。
確率が安心材料となればよいのですが、ときに不安を増幅させることもあります。
そして、予想を裏切る結果に出くわすと、受けるショックが大きいです。
ひとつ調べると、100ほども情報が入ってくる時代です。
特に妊娠や不妊治療に関しては、本当にいろいろな確率の情報が出回っているので翻弄されてしまうこともありますが、頼りすぎず、すがりすぎず、程よい距離感で付き合っていかねばと思います。自戒を込めて。
コメント